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【禁聞】中ロエネルギー協力 米への抵抗が狙いか

2014年05月25日

【新唐人2014年5月25日】5月21日、中国とロシアは総額4000億ドルに上る天然ガス供給契約に調印しました。ロシアは中国に年間380億立方メートルの天然ガスを30年間、供給します。10年かかった交渉が今、調印したのは、ロシアが欧米の経済制裁を受けていることと、中ロの政治体制が似ていることに関係すると専門家は分析します。

 

5月21日、中国とロシアは上海で、史上最大規模のエネルギー供給契約を結びました。これによると、ロシアは2018年から30年にわたりパイプラインを通じて中国に天然ガスを供給します。量は毎年増やし、最終的には年間380億立方メートルに達します。

 

ロシアメディアの報道によると、契約の総額は4000億ドルで、1000立方メートル当たりの価格は350ドルを超えます。

 

中国とロシアは2004年から天然ガスの契約交渉を始めましたが、価格と定価システムで折り合いがつきませんでした。消息筋によると、ロシアはかつて、日本への販売価格と連携した価格で中国に売ることを望み、最高で1000立方メートル当たり500ドルに達しました。しかしウクライナ情勢の影響で、ロシアは欧米の制裁圧力を感じたため、価格を下げてでも、アジア市場を広げようとしたと見られます。

 

台湾政治大学 国際関係研究センター 厳震生主任

「ロシアは中国と合意すれば、欧州に売れなくても、中国には売れます。もうけは減っても、重要な戦略パートナーを確保できます。去年 習近平主席の最初の訪問国がロシアでした。かつて中国は国家の主権と領土の保全を強調してきたのに、ウクライナ問題では、欧米や国連に協調していません。ロシアにとって大助かりです」

 

ニューヨーク市立大学 夏明教授

「今 ロシアは欧州と緊張関係にあるので、中国に着目しました。一方 中国のエネルギー需要は過去30年 右肩上がりで、中国はエネルギー確保に焦っていました。安定したエネルギー供給を望むものの、産油国は情勢不安定です。中国にエネルギーを供給してきたミャンマーは今欧米に歩み寄っています」

 

5月22日、ドイツの「フランクフルト新聞」に掲載された文章では、今回の契約の調印で、ロシアは欧州への依存から脱却できると指摘しています。また、中国とロシアは政治体制が似ており、指導者が同じ価値観を共有できることが、この契約調印の現実的な土台になっているとも分析しました。

 

また、中ロの指導者はいずれも、自国の裏庭でアメリカが活動することに不満を覚え、アメリカの理念がもたらす影響力にもおびえていると述べています。

 

ニューヨーク市立大学 夏明教授

「米国を主とする西側国家が東西で行う経済制裁や政治的な批判、封じ込めなどに中ロは直面しているので、両国は協力を望むのです」

 

台湾政治大学 国際関係研究センター 厳震生主任

「アジアにおける米国の封じ込めは、ロシアに対する新たな封じ込めでもあります。だから中ロは自然と近寄ったのです。しかもロシアはG8入りしましたが、非民主的だと批判されています」

 

ただしドイツの「フランクフルト新聞」は、中ロのイデオロギーが同じでも、最終的には双方とも自国の利益にこだわると強調しています。

 

AP通信によると、両国は価格の面でなかなか合意できず、プーチン大統領が訪中を終える数時間前にようやく妥結したそうです。

 

報道によると、中国は石油や天然ガスの供給源多角化を強く望んでいますが、米中貿易額は中ロ貿易額の3倍に達するので、中国はやはりアメリカとの間で大国関係を打ち立てたいと望んでいます。

 

ロシアも中国の戦略に深入りすることを望みません。例えば、日中の領土問題では、ロシアは中立を維持し、南シナ海問題にも介入していません。

 

アメリカ、コロンビア大学の客員教授、陳破空氏はブログで、ロシアはウクライナ問題のため、西側から制裁を受け、日本との関係もやや悪化したものの、中国と手を組んで日本に対抗するには、まだ道のりが遠いと指摘しました。東シナ海の合同演習では、ロシアは中国の顔を一度立てたに過ぎません。つまり、中国は主に日本に、ロシアは主にアメリカに見せつける狙いがあると述べています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2014/05/24/atext1111521.html(中国語)

(翻訳/河合 ナレーター/村上 映像編集/工)

 

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